腰痛患者85%が見過ごされている医療の裏側

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今回のテーマは「腰痛」です。

 

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みなさんご存知でしょうか?

 

厚生労働省が発表している

腰痛とは、腰部を主とした

「痛み」や「張り」などの不快感といった

症状であると話しています。

 

でも実際、
腰痛の原因がわからない方が多いんです。

 

腰痛には、画像の検査で腰痛の

原因が特定できる「特異的腰痛」と

厳密な原因が特定できない

非特異的腰痛」があります。

 

ここで驚きなのが、

実際、特定できる腰痛は全体の15%で

画像の検査上わからない腰痛は85%もあります

 

非特異的腰痛の多くは

椎間板のほか椎間関節、仙腸関節といった

腰椎の関節部分、そして背筋など

腰部を構成する組織のどこかに

痛みの原因がある可能性は

高いところですが、特異的、つまり、

どこが発痛源であるかを厳密に

断言できる検査法がないことから

痛みの起源を明確にできません。

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仮に、骨のずれやヘルニアなどの

画像上の異常所見があっても、

腰痛で困っていない人はいますし、

逆に腰痛の経験があっても、画像所見は正常な

場合もたくさんあります。

 

つまり、画像上の異常所見は必ずしも

痛みを説明できないことが理由の一つです。

 

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ここで、慢性腰痛に苦しんだ
一人の女性Aさん(71歳)についてお話しします。

 

Aさんは、6人兄弟の長女に生まれ、
小さい時から畑仕事や家事などを手伝っていたそうです。

 

小学4年生ころから
腰に違和感があり、畑仕事やお守りなどをしていても
痛みが生じるようになったそうです。

 

その後、腰の痛みは変わらず、Aさん自身も
「こんなものか」と諦めていました。

 

就職し、21歳という若さで結婚。
3人の子供もでき、多忙な毎日を送って
いたそうです。

 

とても充実してましたが、
一つ気がかりなのが、いくら経っても治らない
「腰痛」だけです。

 

思い切って子供が小学生に入った頃に
近くの病院へ行きました。

 

驚くべきことに医師から
「腰痛ですね」と言われただけでした。

 

あれほど痛く、重い病気だと思って
怖くて怖くて行けなかった病院が

 

腰痛であったとわかったAさんはほっとした反面
なんでこんなに痛いの?と疑問を感じました。

 

医師からは湿布を貼って安静にしていれば
治りますと言われましたが

 

安静にする時間もなく、湿布を毎日欠かず
貼ることだけを徹底して行いました。

 

ですが、その後Aさんの腰痛は治ることは
ありませんでした。

 

そんなある日、Aさんが定年を迎えた時に
テレビ番組で「隠れ圧迫骨折」のことを知りました

 

症状も似ており、「これかもしれない」
と思ったAさんは今度は躊躇なく
病院へ向かいました。

 

しかし、結果は特に異常なし
「腰痛」と診断を受け、安静と
湿布をもらうだけでした

 

折れていないことに対してホッとする自分と
一生付き合わないといけないことの
虚しさもあり言葉にできなかったそうです

 

その後、1年経過するたびに増していく
腰の痛みに対して変わらない
定期検診の結果

 

ある日、知り合いから近くの整体院をすすめられました

 

そこの整体院は元々は病院勤務で理学療法士を
していた方がしていると評判がある場所でした

 

Aさんは、お金を出してまで自分の体に使うのに
抵抗がありましたが、初回料金も安かったということで
一度行っていました。

 

すると、驚くべきことにたった1回の治療で
立っても、歩いても痛かったはずなのに
痛みがなくなりました。

 

衝撃的なことであったのと
あまりの嬉しさに涙もしてしまいました

 

整体院の先生からは

 

「これでまた元気に過ごせそうですね」

 

と優しい言葉をかけてくれて、
嬉しくてたまりませんでした。

 

これまでできなかった
旅行ももっと自分のために
やっていきたいと思えました

 

本当にありがとうございます。

 

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これは、幼い時から腰痛に苦しめられて
育ったほんの1症例に過ぎません。

 

私たちセラピストは何をしないと
いけないのでしょうか?

 

と考える内容だったと思います。

 

確かに、特異的な腰痛であると
手術で軽快します。

 

ですが、非特定的な腰痛であると
徒手的な治療でしか治せないことが
多々あるのも事実であると考えてください

 

ここで、私が実際に治療をした
内容と見解を述べていきます。

 

背中をマッサージしても
腰痛は治らない

 

腰痛患者のほとんどの人が背中に強い

激痛や歩く際に痺れなどを訴える方が多い。

そのため、セラピストや整体院では、

腰に対してマッサージやストレッチを

行う方がほとんどである。

 

実は、腰のマッサージをしても

一時的な痛みは取れるが、再発するケースが多いです。

 

では一体どんな治療をすればいいのか?

 

ほとんどのケースで
大腰筋」が関与

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大腰筋とは、腰椎から骨盤を通って

股関節の内側に付着します。

 

作用として、直立の姿勢を保つ、

歩く際に脚・膝を引き上げるなどの役割、

背骨の自然なS字の湾曲を作り、

骨盤の位置を正常に保つ働きがあります。

 

大腰筋は、腰部にとって有力な屈筋でも

伸筋でもなく体軸骨格の自然な生理的湾曲を

維持しながらほぼ垂直位で、

体軸骨格を安定させる筋肉です。

 

そのため、この筋肉が過剰に機能、

または筋短縮に陥ると、自然な生理的弯曲が崩れ、

土台である骨盤のアライメントがずれてしまい、

他の筋肉が強く引かれ、

二次的に痛みを作り出すことになります。

 

どんな治療をすればいいのか?

 

ここで行う治療として、
大腰筋のリリーステクニックです。

 

筋肉が伸長位で固定されていると
筋肉は緩みたくても緩められないため

 

まず第一に両股関節を90°程度屈曲させます。

 

そのポジションから大腰筋の走行に沿って
腹部から圧迫し、自動運動の中で股関節の屈曲を行い
収縮を感じるところで大腰筋を探します

 

大腰筋の場所を見つけることができれば
振動刺激を行い、ダイレクトに
大腰筋に対して治療を行います。

 

今回の症例ではたった1回の治療
生理的弯曲が調整され

 

棒状だった脊柱が
S字状の弯曲へ調整されました

2019-12-26 23.54のイメージ 2019-12-26 23.54のイメージ (1)

今回の症例でも
大腰筋をリリースするだけで
姿勢が変化し

 

結果として
痛みもなくなった方でした

 

腰痛に関しては、
注射や湿布だけでなく
大腰筋といった筋肉も
一つ視野に入れることで

 

治療の幅が増えるのでは
ないでしょうか??

 

たった1回の治療で

慢性腰痛患者が変わる

 

もし、この治療に興味があるなら

JPR協会が開催している

第2回ベーシックコース「骨盤調整

で今回のテクニックを学ぶことができます。

同じ治療をお伝えしているので

興味がある方は一度行ってみてください

 

「参考文献」

 

1)Donald A. Neumann:KINESIOLOGY of the MUSCULOSKELETAL SYSTEM,第2版,医葉薬出版株式会社,2012.

 

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