真実。腰部脊柱管狭窄症の”全て”を手術で治せない

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根本的な間違った
思考回路

日本人はとても勤勉で素直なところが
海外でも絶賛されています。

 

特に”思いやり”や”おせっかい”など日本人が誇るべき
特徴だと言われ続けているのを知っていますか❓

 

ですが反対に…

 

その日本人の特徴の一つに情報を鵜呑みにしてしまう
ことがあります😅

 

例えば、ニュースやバラエティ番組で言っていることや
医師や弁護士などの権力がある人が話していることは全て正しい
と思い込んでしまっています。

 

それは間違っている!!

 

とまでは私も言いませんが、それは大変危険⚠️だと思います。

 

自分で考える前に相手から言われるのを待っている
もしくは言われることが全て正しい…

 

そんなことでは、間違った医療でも
あなたはそのまま受け取ってしまいます。

 

ここでは、多くの方が勘違いしている

”腰部脊柱管狭窄症”=手術で完治

 

という概念を覆したいと思います。

 

今悩んでいる人も

痛みに悩んでいる症例を見ているセラピストにも

 

可能性を秘めた真実をお伝えしたいと思います!

 

腰部脊柱管狭窄症は手術で治るの?

治療院では、「脊柱管狭窄症の痺れは治せる!」と
高々に言っている先生がいます。

 

正直言うと…
そんなことはありません。

 

骨の変形や変性は僕たちセラピストの徒手的な治療で
改善することは難しいです😓

 

脊柱管狭窄症を発生した症例では、
手術、または保存的治療を用いて改善を行うのが
西洋医学のスタンダードな考え方です。

 

私はこの考え方に賛成と反対があります。

 

特に変形が進み、明らかな画像所見で脊柱管が狭窄している場合
手術で改善する必要があると思います。

 

しかし、最近ではしびれが強すぎるから手術をする
椎骨の変形があるから手術をするなど

 

選択肢として”手術をしないと治らない”という考え方が
定着していることに疑問を感じています。

 

手術で治す治療は明らかな画像所見
それでも治らないケースは他に原因がある

 

特にそれは筋・筋膜性の痛みや痺れがほとんどです。

 

今回、一人の症例について
徒手的な治療で改善した症例をお話しします。

 

=====================

 

腰部脊柱管狭窄症と診断を受けた60歳代女性。

夫と二人暮らしで農家を営んでいた。

 

数ヶ月前から長時間歩くと腰が痛く、
痺れるような症状が続き、少し休めば楽になる
そんな繰り返しでした。

 

ただの腰痛だと感じていたAさんですが、
身体が伸びず姿勢が猫背になっていくのが嫌で
直ぐに病院へ受診しました。

 

医師からは「腰部脊柱管狭窄症です。手術をおすすめします。」
と言われました。

 

ですが、手術が怖く手術をする勇気がありませんでした。

 

しばらく安静とお腹周りの筋力訓練を医師へ勧められました。

 

結局手術はせず医師に言われた通りに行い続けました。

 

ですが、何日経っても一向に症状が治らず
手術しかないのかと考え直しました。

 

しかし、娘から近くの治療院は腰痛専門だから
一回行ってみてもいいのではないかと言われ
行くことにしました。

 

正直希望はあまりしていなかったですが、
驚くべきことにたった1回の治療で
姿勢も良くなり痛みや痺れが和らぎました。

治療院の先生からすると
当たり前のように治してもらいましたが
私からするととても驚き嬉しかったです。

 

好きな農業も続けられ歩くことが気にならなく
なりました。

 

=====================

 

では、どうして改善されたのか❓

 

改めて考えると
腰部脊柱管狭窄症ってなに??

”脊椎”は、”椎骨”と呼ばれる骨が連結したものです。

 

頭側から頚椎7個胸椎12個腰椎5個があり
その下に、仙椎、尾骨があります。

 

横から見ると、頚椎、胸椎、腰椎、仙椎は
それぞれ前後に弯曲しているのがわかります。

 

これを”生理的弯曲”といい、

 

頚椎と腰椎は前弯、胸椎と仙椎は後弯しています。

 

発症年齢は40歳代以降の中高齢者の方に起こりやすく
”間欠性跛行””坐骨神経痛”の原因となりやすい疾患です。

 

この疾患は、椎間板ヘルニアなどと併用して加齢とともに、
”脊柱管”と呼ばれる神経の通り道が狭くなります。

 

腰部脊柱管狭窄症は、脊椎の疾患の中で最も多い疾患です。
年齢に伴って脊椎に変形が発生し、神経の通り道である脊柱管が狭くなります。

 

脊柱管内の神経が圧迫を受けると
腰痛や痺れなどの原因になるのが特徴だと言われています。

 

どんな人がなりやすいのか?

高齢者において腰部脊柱管狭窄症の有病率は10 %ほどで、
有病者はわが国において580万人と推定されています(図1)。

大日本住友製薬株式会社が独自で調べた調査によると、40歳代以上の男女8万人を対象に国内における腰部脊柱管狭窄症の推定患者数は約240万人(40歳以上人口の3.3 %)という結果が出ています。

 

そのうち、64.5 %の人が痺れや痛みはしばらく歩くと強くなり、休むと楽になる間欠性跛行を呈していることがわかっています。

 

また、240万人中9割の方が症状を改善したいと述べており、決して人ごとではなくほっとけない病気だということがわかります¹⁾。

 

特に同一の姿勢をとっている方(運転手、事務員)や
足腰などの筋力が弱っている人などに起こりやすいと言われています。

 

よく聞く
間欠性跛行ってなに?

 

しばらく歩き続けていると足の痛みやしびれ、
つっぱり感が出現し歩けなくなります。

 

しかし、少し腰を曲げて座って休んでいると症状が緩和し、
また歩けるようになります。

 

間欠性跛行は、神経の圧迫の状況により
馬尾型と神経根症と呼ばれる2タイプに分かれます。

 

馬尾型は、両下肢のしびれ感や陰部の痺れ、
異常感覚を認め、歩行により同症状が悪化します。

 

さらに症状が重篤化すると膀胱直腸障害と言われる
排尿障害や排便障害を認めることもあります。

 

神経根型では、片側性に臀部から大腿部、
下腿部への放散するような痛み、しびれを自覚します。

 

圧迫されている神経根によって痛みの出る部位や範囲が異なります。

 

症状が悪化すると下肢の筋力低下を認めることもあります。

 

また、馬尾型、神経根型の両者の症状を有する
混合型と呼ばれる症状を呈する場合もあります。

 

書籍数多く残っていますが、
いずれにせよ脊柱管の圧迫が原因と考えられています。

 

本当に手術だけでいいのか?

前述した通り、手術では治せないところがあります。

 

例えば、”姿勢”です。

 

同一の姿勢を取り続けたり、
痛みを庇った姿勢に陥ったりと

 

痛みの根本的な改善に繋がらないこともあります。

 

他にも痛みが狭窄症が原因でないケースです。

 

基本的に僕たちは、
痛みの原因はそこにあると思い込んでいます。

 

それが間違いであるということに気づく人は少ないです。

 

例えば、痺れには大きく分けて2種類あります。

 

神経が圧迫される”神経性”の痺れと
血管が圧迫されて神経への血流が悪くなる”血管性”の痺れです。

 

”神経性”のしびれでは、明らかに骨や靭帯で絞扼している場合を指します。

逆に”血管性”のしびれでは、筋肉の緊張が過剰に高くなり、
周りの組織が硬くなり、神経への血流が悪化ししびれに繋がります。

 

ここで僕たちセラピストの
徒手的な治療で効果が発揮します。

 

後述した血管性の痛みでは、
例えば狭窄症から来ていたと思っていた痺れが大臀筋にあった…

 

などのケースは臨床上よく見かけます。

 

痺れが生じているから手術
手術は嫌だから筋力訓練や安静にする
あの整体院はすごい、だから治りやすい…

 

そうではなく、
正しい知識といかに疑うかが治療の原則です。

 

当たり前の治療をすれば
目の前の患者が救えなくなることを

 

セラピスト一人一人が
考えていく必要があると思います。

 

臨床では
どんな治療法をするのか?

 

まだ、教科書には出てきていないですが、
あくまで僕たちの臨床推論の上の治療方法を
今回説明できればと思います。

 

治療テクニックは2つ紹介します。

 

===============

 

一つ目は、外側広筋のリリーステクニックです。

外側広筋は、大腿四頭筋の中の一番外側にある筋肉です。

 

ここは、腰部脊柱管狭窄症のように身体が丸くお尻が出ている人に

負荷が比較的かかりやすいと言われています。

 

では、気になるリリース法は?😏

 

①まず最初に外側広筋の位置の確認です。

 

股関節が外側へ傾いている方は比較的多く、
同様に外側広筋も外側へ引っ張られています。

 

②停止部を触診

 

硬結が起きやすい部位は膝蓋骨に付着する停止部です!
ここをまずは触診し、緩められたかを指標にしてください。

 

③中臀筋を触診

 

股関節の大転子に付着する中臀筋を触診しましょう
ここのポイントを押すだけで外側広筋を緩めやすいです。

 

股関節を外に広げながらリリースしても
より効果が得られやすいので試してみては?😁

 

二つ目は、仙腸関節の調整です。

仙腸関節は、腸骨と仙骨で構成されている関節です。

 

ここは、身体の土台となる関節でもあり、
腰痛の原因や身体の歪みに繋がりやすい部位だと言われています。

 

まず、① 仙椎2番(S2)を触診しましょう。

 

S2レベルのやや外側に窪みがあります。それが仙腸関節です。

 

② 身体を横にし、股関節は45°曲げます。

 

仙腸関節は股関節の動きと連動しやすく
外側へ行くほど仙腸関節は閉まる位置へと変化します。

 

③ 身体を横にしたまま、真上に股関節をあげます。

 

仙腸関節の動きを意識し、わずかに上方へ股関節をあげます。
腰部脊柱管狭窄症の方はこの動きが苦手でもあるため
実施する側の誘導に合わせて患者さんも行います

 

外側広筋や仙腸関節のテクニックは必ず腰部脊柱管狭窄症で使います。

 

このテクニックを用いれば、他の症例にも応用ができるので
ぜひ使ってみてください。

 

===============

 

いかがでしたか?

 

手術しか考えてこなかった方も
普段何気なく治療していたあなたも

 

少し考え方が変わったのではないですか?

 

興味があれば、僕たちが開催している
JPRベーシックコースの勉強会へ参加して見て下さい。

 

きっとあなたが得たい情報もあるはずです。

 

少しでも変わりたいと思うならいますぐ
動いて下さい。

 

参考文献

1)大日本住友製薬:腰部脊柱管狭窄症の国内患者数は推定240万人,2010.
2)石元優々他:腰部脊柱管狭窄症の疫学,日本医事新報社,2016.
3)柿崎藤泰:胸郭運動システムの再建法,ヒューマン・プレス,2018.

 

 

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