雲を掴むような”自律神経失調症”の謎

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お世話になります。
JPR協会の医療研究チームです。
今回も皆さんにとって
有益な情報をお伝えできればと思います

いくら医学が進歩したからと言って
全てを治せている訳ではない。

皆さんは勘違いしていませんか?
病院に行けば治る、薬を飲めば良くなる…
そんなことでは良くならない病気は沢山あります☹️
例えば、”難病”です。

難病は…
1)なぜ病気になったかわからない
2)治療方法がわかっていない
3)希少な疾患
4)長期の療養が必要

などを含め現代医学では太刀打ちできないものを指します。

平成30年4月現在の指定難病は331疾病にもなっています。

こんなにも世の中には治せない、わからない疾患があります。

これからもっと増え、わからなければ”難病”ということになります。

ですが、医学会では常に新しいアイデアや治療を行い、
難病患者の希望を見出しているのも事実です。

けれども残念なことに、

「難病だから治せない」
「とりあえず薬の処方」
「次回の診察は…」

など当たり前のように決断を下している
医師やセラピストが余りにも多いのが現状です😞

難病だから仕方がない…
誰かが治療法を探してくれる…

そんな考えで果たしていいのでしょうか??

もしあなたが臨床の現場で難病患者さんを
治療しているなら

そんな考えはやめて下さい。

わからないならわかる範囲でいいので
治療に限界を作らないでください❗️

全ての人がそういうわけではない…

そんなことはわかっています。

だからこそ、一人でも多くの方が
一人一人の症例に向き合って
可能性を繋ぐ必要があります。

そんな人を多く世で活躍できるよう
僕たちはできる限りのサポートをします。

一緒に頑張りましょう❗️

では、今日お伝えするのは
”自律神経失調症”です。

とその前に…

皆さん知っていますか❓
多くの人が…

”健康”って大切なことに
病気になって初めて気づいています😂

2014年厚生労働省委託調査で、「健康のために出費しても良いと考える額」と「実際に出費した額」を聞くと、いずれも1ヶ月当たり「1,000円以上5,000円未満」という回答が最も多く、それぞれ45.1%、32.4%という結果でした。¹⁾。

この結果からしても”健康”という言葉は知っているけど
実際には自分とは関係ないと思っている方が多いではないでしょうか?

ほとんどの人が、怪我や病気になって健康が大切だと気づきます。

でも、それでは回復するのにも時間がかかり、
予後が悪化するケースもたくさん見られます。

僕たち医療人なら知っている”当たり前”が一般的な人には
知らないことも多いのでしっかり伝えることも大切です。

今回の”自律神経失調症”も
なってから自分は病気だと気づいています。

あなたが今から知ることは
患者さんにも伝えて頂ければ
より回復に近づきますので参考にしてください😁

先ほどから言っている
”自律神経失調症”…

そもそも
”自律神経失調症”ってなに?

結論から言うと
そんな病気はありません😅

日本心身医学会が言っている
”自律神経失調症”は、

「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、
しかも臨床検査では器質的病変が認められず
かつ顕著な精神障害のないもの」と

暫定的に定義されています。

よく言われ続けている
”自律神経失調症”の正体は…

”ストレス”が原因で生じる
自律神経の症状を指しています(図1)。

うつ病と何が違うの?
と疑問に思うかもしれませんが

精神的な疾患(うつ症状のみ)= うつ病
自律神経の不定愁訴(精神的な疾患 ➕ 身体的な疾患) = 自律神経失調症

と分けているそうです。

治療法として、
対症療法(ホルモン剤や薬物療法)や
行動療法(自律訓練法、睡眠の周期を整える)などがあります。

”自律訓練法”は、1932年にドイツの精神科医ヨハネス・ハインリヒ・シュルツによって作られた自己催眠法であり、リラクゼーション技法です。

一般的には、
薬と自律訓練法を用いた治療が中心とされています。

よく聞くけど
”自律神経”ってなんだろう🧐

神経には、脳や脊髄などの中心から出る”中枢神経”
身体中から分かれている”末梢神経”に分けられます。

末梢神経は、意思によって身体の各部を動かす”体性神経”
意思に関係なく刺激に反応して身体の機能を調整する”自律神経”に分けられます(図2)。

もっと細かく言うと…

”自律神経”とは、自分の意思とは無関係に働く血管、リンパ腺、内臓などに分布する神経系のことであり、呼吸や代謝、消化、循環など自分の意思とは無関係で生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動としている神経です。

簡単に言うと

生きる上で欠かせない機能の指令を
行なっている神経です。

この自律神経には、”交感神経””副交感神経”に分かれていて、安静時では主に副交感神経が優位に、活動時では交感神経が優位に働くように機能しています。

つまり、ONとOFFの機能を兼ね備えていると言うことです。

この機能が制限されると内臓や代謝、呼吸などあらゆる場所で
障害が起きやすく、身体が不調になりやすいです。

そこで、現在の医学では、
薬を飲んで対応しますが、

実は…

自律神経失調症は
薬を飲んでも完治しません😞

めまいが治まらない…
痺れが強すぎる…
吐き気が治まらない…

そんな時に病院へ行っても
「特に問題ありません」心の問題かもしれませんと

医師に「自律神経失調症ですね」と言われている
患者は数十年立っても変わっていない事実です。

ここで、僕たちが薬以外の方法で治療し、
改善した症例についてお話ししたいと思います。

=====================

2019年9月の下旬にAさん(50歳)は
妹を失いました。

理由は、妹さんの”自殺”だったそうです。

それ以降から激しい動悸や不眠、
漠然とした不安感がAさんを襲いました。

これではダメだと近くの婦人科に受診し
病院で検査をすると医師から

「特に問題はないですね」

と全く異常がないことが判明しました。

Aさんが「どうすればいいのですか?」と問えば

医師から「これはストレスから来ている問題だから
しっかり休んで寝てください」と言われました。

その頃から精神安定剤をもらい服薬を開始しましたが
一向に良くならず再度受診しました。

けれども問題はなく、

医師からは「自律神経失調症というストレスの
病気なので安静にしてください」と言われました。

いつまで経っても動悸や不眠、不安感は治まらず
ますます不安が募りました。

その時、同じ病気で苦しんでいた友人が
通っていた整体院を勧めてきました。

なんとかなるのではないか?という期待感よりも
この不安をなんとかしてほしいという願望が強く
感情に出ていました。

そこの整体院の院長は、
30歳半ばで優しそうな口調で
色々と問診をしてくれました。

今までの病院にはない感覚で
安心したのを覚えています。

治療では、何やら不思議な道具や
よりリラックスできるため
音楽などをかけていました。

治療中は漠然とした不安があったのが
頭の中で整理されたようで

それを治療院の先生に話すと
体がスッキリしました。

先生からすると
そう言ったのを含めて治療をしないと
改善はしないと話されました。

自分はここまで病んでいたのか?

原因はこれだったのかと自分でも
はっきりと理解ができ

病気と向き合うことができました。

今でも2週間に一度通い
自分の問題に目を向けるなど

少しずつ体が楽になることができました。

※患者様のご協力のもと掲載させて頂いています。

===================

では、どんな治療をしたのか?

よく言われている治療法は上でも説明した
薬物治療と自律訓練法があります。

ですが、私たちが行なった治療は…

脊柱起立筋
リリーステクニック

脊柱起立筋は、
脊柱の背側に位置する長く大きな筋肉です。

脊柱起立筋のうち、
外側を腸肋筋、真ん中を最長筋、内側を棘筋
と呼ばれる3つの筋群で作られています。

フェルデンクライスは、
「負の感情はすべて、屈曲として現れる」と話しています⁹⁾

僕たちが普段、生活の中で落ち込んでいる場合や不安、
恐怖を感じているときは、自然に防御姿勢をとり、
身体を丸めるような姿勢となりやすいです。

そのため、脊柱起立筋は伸ばされながら
固くなりやすい傾向が強いです。

特に、うつ病や不安、恐怖、怠惰など
精神的なストレスでこのようなケースは
臨床上多く見られます。

では、今回の”脊柱起立筋”の
気になる治療法は??👀

まず、①患者さんはうつ伏せの姿勢をとります。

②施術者は頭側へ位置し、左手でTh12番を触ります。

③右手で後頭骨を触り、後頭下筋群を触ります。

③を触診したまま、軽く振幅刺激を加えます。

Th12番が少しずつ緩むのを感じ、
後頭下筋群の圧痛が無くなれば治療完了です。

これだけでも、姿勢は大きく変化するので
一度試してやってみてください❗️

ここで一つ
最新の知見をご紹介します😆

最近、”オキシトシン”と言う言葉が美容や
医学会で注目を浴びているのを知っていますか?

オキシトシンは、子宮の収縮射乳などを
引き起こす物質として解明されていましたが

最近では”ストレス”に関係があると示唆されています。

特に”安らぎ”など
人の心身に影響を与えられると
考えられています。

ある文献では、オキシトシンの放出条件は
外界からもたらされる感覚刺激によって促進
されると言われています。

そのため、リラクゼーションなどのマッサージでは、
背中への15分間の施術によって血液中のオキシトシンの量が
増加されたと報告がありました。

そのことで、一定のリズムや強弱が少なく、ごく軽い
皮膚刺激は「心地よさ」を起こさせ、不安の軽減や
心に対して影響を与えられる報告が増えてきました。

もしかすると刀療もホルモン系統で考えると
この””オキシトシン”の効果があったのではないかと思います。

もう一つ覚えて欲しい
自律神経とリンパの関係

普段臨床でリンパマッサージや
リンパの流れを良くすると言う言葉を使っていませんか?

リンパにも管があり、血管と同じように
全身に張り巡らされています。

その中は”リンパ液”が流れていて
白血球の成分である顆粒球、単球、リンパ球など
身体の免疫に大きく関係しているものを含んでいます。

全身の多くの場所で、リンパ管が集まって
”リンパ節”と呼ばれています。

よく言われているのが、
血液は心臓から送り出されると
約40秒で全身を巡って、心臓へと戻りますが、

リンパ液は足先から鎖骨まで届くのに、
約8〜12時間かかると言われています。

それは、血液と違いリンパ液は、
筋肉の動きで流れるからだそうです。

当然筋肉を使わない人や運動量が少ない人は
リンパの流れが停滞することで、老廃物が蓄積し、
足のむくみや疲労などに繋がりやすいと言われています。

リンパの役割って何??

・不要となった老廃物を排出
・ウイルスや病原菌に対する抗体を作り出す免疫機能

この二つがリンパとして重要です。

リンパには、リンパ液の白血球があり、
”リンパ球””顆粒球”という2種類の物質が含まれています。

この2つがバランスよく働いて
身体の免疫力を上げることができるのですが、
白血球中にリンパ球35%顆粒球60%
これが病気にかかりにく数値と言われています。

このバランスに深く影響しているのが
”自律神経”です。

交感神経が優位になった時には、
顆粒球が増えて身体を感染症から守り、

副交感神経が優位になるとリンパ球が増えて
細胞の入れ替え作業をすることがわかっています。

そのため、疲労やストレスなど
自律神経がうまく機能できない場合は、
このバランス関係が崩れ、免疫力が低下し
様々な病気につながると考えられています。

また、リンパは自力では循環は難しいため
徒手的な治療やマッサージが効果できだと言われています。

先ほど、話した刀療もこの利点や疫学的な面において
有効だと思われますね。

このようにリンパにある
免疫と自律神経は密接に関与していることがわかります。

散々言っているけど
ストレスは悪いのか?

ストレスを聞いていいと感じる人は少ないでしょう。

ストレスとは⁉️

外部からさまざまな刺激によって自分の身体や心に負荷がかかり、
「歪み」が生じることを指します。

それにより、さまざまな身体への不調を引き起こす原因になります。

元々はカナダの生理学者であるハンス・セリエ博士が1936年に「ストレス学説」を発表したことにより、使われ始めたそうです。

ですが、ストレスというのは、我々人には
切っては切り離せないものです。

ストレスがあるからこそ自我が持て
意欲が湧き、生活習慣が整えると言われています。

過剰なストレスは確かに問題ですが、
自分を整える上でのストレスは
必要なことを覚えておいてください。

”病は気から”
この言葉が現実に…

”病は気から”

一度は皆さんも
聞いたことはないでしょうか?

神経系が免疫系に対して何らかの
調整作用を司っているのは昔から
言われ続けています。

これが近年では、
現実の言葉となってきています。

交感神経は、ストレスや情動による
中枢神経の活動性の変化を全身の臓器へと
伝える主要な役割を果たしていると
考えられています。

免疫の本来の役割は病原体の感染から
我々の身体を守ることですが、
免疫反応が過剰に起こってしまった
結果が炎症性疾患です。

つまり免疫は、我々の身体にとって
良い方向にも悪い方向にも作用する
「もろ刃の剣」なのです。

現段階の研究では、
病は気からというのは立証できていないですが
近い将来証明できるのではないでしょうか⁉️

たくさん話しましたが…

”これで治る!”
そんな治療法はありません

坂野は、我が国で行われた効果研究に基づいてメタ分析を試みた結果、自律訓練法が必ずしも十分な有効性を持つわけではなく、むしろ統制研究が少ないこと、効果が見られない場合に公表されない「お蔵入り研究」の数が定かではないことといった問題点を指摘している。

皆さんも薄々感じているのではないですか?

私達がお伝えしている治療法は
全てが全ての人に効果があるかどうか

答えはNOです。

人によって症状は違います。

発生した経路も何百通りもあるのです。

それを一つ一つ分析するのは
雲を掴むような話だと思いませんか?

ですが、自律神経失調症の特徴には
必ずストレスが付きまといます。

そんな方に対しては上でも説明した
根拠があります。

ですが、まだまだ知見でしかないのは当然です
皆さんも医療人として成長するのであれば

今回のような治療テクニックを学び
自分で確かめてください。

変化は必ず出ます。

まだまだ根拠となる
研究や論文はありませんが

これから私たちが検証し
自律神経失調症の方を支援できる
セラピストが増えればと思っています。

より細かく知りたい方は、
JPR協会が開催している
ベーシックコースへ参加してください。

講師陣たちは私たち藤井翔悟の元
本気で修行したメンバーです。

分からなけらばすぐ行動

食わず嫌いは何も成長しませんよ。

 

ー医療研究チーム

 

参考文献

1)厚生労働省委託:「健康意識に関する調査」,厚生労働白書,73〜742014.
2)大月三郎他:精神医学 第5版,文光堂,P381〜382,2011.
3)橋川成美:オキシトシンが母から子に与える影響,ファルマシア,Vol.50,No9,P913,2014.
4)笠井仁:自律訓練法の歴史と発展,心身医,Vol.52.NO.1,P12〜18,2012.
5)横山清子他:インパルス応答関数を用いた姿勢変換過渡期における自律神経機能評価,電学論C,117巻6号,P703〜706,1998.
6)正門由久他:リハビリテーションのための臨床神経生理学,中外医学社,P 153〜165,2015.
7)福田英克他:腎動脈交感神経アブレーションによる循環器病治療,日本内科学会雑誌,第100巻8号,2012.
8)二神弘子:オキシトシンと心身の健康,第27回学術集会,P 48〜50,2019.
9)Feldenkrais M.Body and mature behavior.New York;International Universities Press ; 1949.

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