変形性膝関節症の間違った考え方

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知らなかった…

変形性膝関節症」の真実についてお話します。

 

ここでは、変形性膝関節症と診断を受け

日々の生活に苦しんでいた女性を

たった1回の治療で

改善した治療テクニックをお伝えします。

 

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その治療法は、JPR協会が開催している

第1回ベーシックコース「トリガーポイントを一瞬でリリースする方法」で

学ぶことができます。

 

そもそも

変形性膝関節症」ってなに??

 

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変形性膝関節症(Osteoarhfritis;OA)とは、

長期にわたる膝関節へのメカニカルストレスによって、

膝関節である軟骨の質が低下し、

歩行時に膝の痛みが出現する

疾患であると定義されています。

 

初期症状には、歩行時に膝の痛み、

階段の登り降りが辛いなどが見られます。

さらに、OAが進むと、次第にO脚が進んでいき、

階段のみでなく平地での歩行にも支障をきたします。

 

どんな人がなりやすい?

 

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一般的には、50歳以上の女性に多く、

こわばり感から始まり、徐々に正座、

しゃがみ込み、階段昇降などで

膝が痛むようになります。

 

進行していく過程では、

就寝時や安静時にも痛みを感じることがあったり、

膝を完全に伸ばすことが困難となってきます。

また、進行すると外観上はO脚変形が明瞭となる。

 

この数年で罹患率はおよそ6倍に跳ね上がっています。

 

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原因には、複数の因子が関与します。

加齢とともに患者数は増加しますので、

年齢の影響があると考えられています。

その他、女性に多く、体質、骨密度、肥満、

ホルモンなどが影響するとされています。

 

変形性膝関節症って
どうやって診断されるの?

 

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OAの画像診断は、荷重時のX線像が基本であり、

Kellgren-Lawrence分類が用いられる(表1)。

 

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関節面の骨軟骨変化とアライメントの変化から

病期や進行度を評価され、①骨棘形成、

②関節裂隙の狭小化、③軟骨下骨の骨硬化、

④膝関節アライメントの変化が重要。

 

変形性膝関節症の進行と
姿勢の変化は?

 

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日本人に特に多い内側型OAは、

グレードの進行とともに膝内側変形は強くなります。

 

この時、大腿骨は外旋し、脛骨内旋、

膝外側角増加、内側関節裂隙の狭小化、

膝屈曲拘縮増加、などが見られます。

 

膝関節の屈曲拘縮が見られると、

歩行時に膝の外側動揺が見られ、

痛みを誘発しやすくなります。

 

実は、この一般的な考えにはある落とし穴があるんです…

 

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ここで、実際にOAに苦しんだ一人の症例

(仮名:福田さん)についてお話します。

 

2018年9月に畑仕事から帰ってきた福田さんは、

左膝の痛み(特に内側)に悩まされました。

 

3年前に夫をなくし、一人で畑仕事をしていた福田さんは、

疲労だろうと思い、そのまま放置をしていました。

 

ですが、ある日突然、

左膝の痛みで歩くのが困難となりました。

 

翌日、病院へ行くと、

「軟骨がすり減っています。変形性膝関節症です」と診断を受け

 

医師からは「膝の周りの筋肉を鍛えるのと痩せましょう」と

言われ、痛み止めをもらってその日は帰りました。

 

しかし、明くる日も痛みが消えず、再度病院へ受診すると

「とりあえず水を抜いときますね」と処置を受けました。

 

痛みは一時的に引きますが、3日経ったら

元どおりに戻ることを繰り返しました。

 

この頃から通販やテレビ番組でしている、

サプリメントに頼りましたが

一向に良くなる気配すらありませんでした…。

 

そんななんか福田さんは、

友達の紹介で一つの治療院と出会いました。

 

マッサージなどにも行ったことがなかった福田さんでしたが、

躊躇する暇もなく「少しでも良くなったら…」

そんな神頼みのような考えで治療院を訪れました。

 

すると、1回の治療で嘘のように膝の痛みが消えました。

しかも、3日ではなく、効果が持続しました。

 

たったこれだけで痛みが減るなんて

絶対にあり得ないと思っていましたが、

治る事実を実感することで本物だと確信しました。

 

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あなたにはなぜ痛みが消えるかわかりましたか?

 

✔︎お医者さんの誤診だった?

✔︎たまたま凄腕のセラピストだったから?

✔︎そんな症例なんてそもそもいるはずはない…

 

色々、意見は飛び交うと思います。

 

まず、ここで考えてみると、

福田さんが患っている変形性膝関節症は、

軟骨がすり減った場合に起こる疾患だと言われています。

 

でも、よく思い起こしてください!

 

高齢の方で、すごく足が外向きで変形している方でも、

痛みがない人もいるということに…。

 

本当に関節軟骨が問題なのか?

 

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関節軟骨(articular cartilage)は、

80%の水分、20%のマトリックスと

わずかな軟骨細胞により構成されます。

軟骨には、神経や血管がなく

軟骨細胞への栄養は関節液に依存している。

関節の相対する骨端の表面にある

厚さ2〜4㎜の硝子軟骨(血管が生じない)です。

豊富な細胞外基質と軟骨細胞から構成され、

血管や神経、リンパ管に乏しい特徴があります。

 

成人の関節軟骨は、

表層⇨中間層⇨深層⇨石灰化層の4層構造を形成し、

最深層の石灰化層の下には

軟骨下骨があり骨と連続しています。

関節軟骨は、荷重時の応力や運動時の剪断力を吸収する

重要な役割を担う組織ですが、

血行に乏しいため一度損傷すると硝子軟骨より

自然再生せず、その後の経過により損傷が拡大

すると変形性膝関節症へと進行すると言われています。

 

実は、軟骨がすり減って痛みが出ると
言われるのは間違い?

 

そもそも、軟骨には神経や血管がないのだから、

痛みを感じるわけがありません。

同時に、軟骨は加齢によりすり減り、

一度擦り減った軟骨が再生することはありません。

この擦り減った軟骨片は膝関節内に炎症を引き起こし、

炎症を抑えるために水が溜まります。

 

炎症を起こすと身体の防御反応でもある

周辺組織を硬くします。

この硬くなった組織が少しの刺激でも痛みを拾う

筋筋膜性疼痛」といった症状を引き起こしています。

 

さらに、膝関節周りの筋力訓練をいくらしても
意味がありません

 

「膝周りの筋力を鍛えてください」

これは先生からよく言われる言葉です。

確かに筋力があるのとないのとでは、

立ち上がりや歩行の際に余分な力が入らない分、

必ず必要なことだと思います。

 

ですが、筋力訓練をしたからといって、

痛みが無くなることはありません。

実は、根本的な問題となるのは

筋、靭帯、脂肪体の3つなのです。

これらを治療しない限り

痛みが良くなることは限りなく0に近いです。

 

では、今回の症例は
何が問題であったのか?

 

治療回数1回、中臀筋膝蓋下脂肪体をリリースした結果、

立位姿勢の変化と疼痛が消失しました。

 

今回の症例は、生理的な腰椎の前弯角度が消失し、

骨盤が常に後傾しており、

大腿骨が屈曲・外転・外旋し、

内側OAとなっていました。

 

そこで、考えてみるポイントとして、

痛みの原因は別の場所から来ている」ということです。

 

今回の症例は、膝の内側に痛みがありましたが、

私は、大腿骨の付け根でもある

中臀筋に対して治療を行いました。

 

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なぜかというと、先ほどの姿勢でもあるように

負担となりやすい場所であるからです。

 

治療肢位は、側臥位を選択し、

起始から停止に向かって振動刺激と押圧を

繰り返し行いました。

 

さらに、膝蓋骨の下にある滑膜に覆われた

大きな脂肪体である膝蓋下脂肪体をリリースしました。

 

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膝伸展位であると伸長位で固定されるため、

屈曲位のなかで脂肪体の柔軟性を改善しました。

結果として、立位の姿勢も変わり、痛みも消失しました。

 

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「まとめ」

 

✔︎変形性膝関節症による痛みを誘発される方は増加→悩んでいる方は多い

✔︎手術以外でも解剖学を理解すると治療は行える

✔︎ドクターと協力し、セラピストが意見を述べないといけない

 

この治療法に興味がある人は、
JPR協会が開催している
ベーシックコースで知ることができるので
一度来てみてはどうでしょうか?

 

「参考文献」

1)腰野 富久:膝診療マニュアル,第5版,141,医葉薬出版,2006.

2)岩谷 力:変形性膝関節症の保存的治療ガイドブック,22–23,メジカルビュー,2005.

 

 

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